奈良の寺院巡り【当麻寺】
2019/10
令和天皇即位の礼を見てましたが、まるで平安絵巻のようでした。
素晴らしい日本の文化・歴史に触れられて、厳かな気持ちにもなりました。
令和天皇の御世に幸多かれと祈念いたしました。
天皇陛下と皇后様が無事に式典を終えられ、安心しました。
さて当麻寺ですが・・・なぜか昔から行きたい寺院の一つでした。
雨が降っている日でしたが、当麻寺の駐車場に車を停めたとたんに雨が上がりました。
特段にしっかり管理された駐車場があるわけではなく、10台程度の小さな無人の駐車場です。
柱に括りつけられた箱に、料金を投げ込む方式。
名刹としては明らかに変ですけど、あまり知られていないお寺さんなのでしょうか?
開基も歴史も何も知らなかったのですが、病気平癒のご利益かあると記憶してます。
創建は推古天皇の時代で612年。聖徳太子の異母弟で麻呂古王の創建とされていますが不明です。
その後天武天皇の時代の681年に、麻呂古王の孫が当地に前身の建物の部材を利用して移転整備されたと伝わっています。
当麻曼荼羅の信仰と中将姫伝説で知られた古寺です。
真言宗と浄土宗の並立で、珍しい形態です。
御本尊は伝説の中将姫が蓮の糸で織ったと言われる当麻曼荼羅。この曼荼羅も曼荼羅堂≪本堂≫も国宝です。
緑青に覆われた緑色の梵鐘は、日本最古のものと思われています。当然国宝です。
が、同じく日本最古のものと思われている石灯籠は重要文化財です。
そして東西に残る三重塔も国宝で、近世前の創建で東西に両塔が現存する日本で唯一の寺でもあります。
東塔は奈良時代末期の創建で、西塔は平安初期とみられています。
高さは東塔が24.4メートル、西塔が25.2メートル。また東塔はヒノキ材で、西塔がケヤキ材が使われています。
平安時代までの建築で、広葉樹材が使われることは異例と言えます。
東西の塔とも真下まで行ってしっかり観察してみました。
千数百年の時を経てなお、朽ちる様子が見えないしっかりした木組みと、施された朱の色・・・当時の建築技術の高さがうかがえます。
中将姫については悲話があります。
藤原鎌足の曽孫の豊成には美しく聡明な娘がおりました。幼くして実の母を亡くし、意地悪な継母に育てられます。
ついには濡れ衣を着せられて殺されかけますが、殺害を命じられた従者が中将姫を哀れに思い、殺さずに山に置き去りにします。
命を長らえた姫は改心した父と一旦都に戻りますが、その後当麻寺で出家してしまいます。
その時に髪を落としたとする井戸が中之坊本堂前に残っています。
その井戸に蓮の繊維を落としたところ、たちまちにさまざまな色の糸が出来上がったそうです。
その糸で姫が一晩で曼荼羅を織り上げたと言うのです。国宝でなくても見てみたいものです。
当麻寺には実に8つもの国宝があります。
何度も言ってますが・・・埼玉では全県で国宝がたった一つ。
ところが文化の発祥の地の関西は、一つのお寺さんで8つもあるのです。
当麻寺を見学の後、コインランドリーを使ってから道の駅当麻に泊ろうとしたのですが・・・。
何ともお墓の隣。そしてヒヨドリがどの木にも巣を作っていて・・・うるさいし糞が凄い。
道の駅かつらぎに戻って泊りました。