ゴーロのピーク・・・蓼科山
平田影郎
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どうしてこの山に登ろうと思ったのか、今になってみると何も思い出せない。確か百名山に入っているぐらいは知っていた気がする。
多分ヴィーナスラインが好きでいつも通っていたから、アクセスが判り易い所ならどこでも良かったのか? あるいはこの当時山渓で見た双子池ヒュッテのロケーションが瞼に焼きついていて、いつかは妻と泊まってみたいと思っていて、そのための下見という意識があったのかもしれない。
結局七合目という安直な選択をしたにもかかわらず、一本調子で展望のないきつい登りにあごを出し、双子池を見るどころかやっとの思いで頂上にたどり着いた。
わずか2時間の登りもやっとだったこの頃の私は、とにかく休んでばかりいた。
丁度真ん中あたりに展望の利く休憩場所があって、北アルプス方面がよくみえた記憶がある。今考えると白馬か鹿島槍で、まだまだ白く冠雪が望めた。
小屋からは大石のゴーロの登りで、なおさらきつくなった。懸命に両手・両足を駆使してゴーロ帯をクリアすると広い山頂の端に飛び出した。とりあえず写真を撮り、ゴーロの山頂をぐるりと廻ってみた。
周りは全て展望が利き、360度のパノラマだ。シャッターを押して押して押しまくった。その写真を今見てみると、八ヶ岳や南アルプスが手の届きそうな大きさで綺麗に写っている。ものすごい感動だった筈だけど、どうも私の頭の中にある画像はセピア色だ。やっぱりネタは新鮮でなければ、美味しいものは作れない。