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エネルギッシュな退職者

雑感

キャンピングバスの故障で300名山達成を目前に、計画を断念して徳島に戻った友人の溝田氏。バスの故障が無かったらどこかの山を一緒に登るはずでした。
実は3月11日の震災でガソリンの入手が困難になった時に、我が家は娘が仙台にいますので迎えに行く事を検討していました。

しかしガソリンが無い以上はどうしようもありません。考えた末に思いついたのがガソリン缶で、ガソリンを携行して仙台に向かう事でした。ホームセンターなどをずいぶん探しましたが、当然品切れでした。入荷の見込みも無いので予約さえ受けないお店ばかりで、途方に暮れていたのでした。

そんな時・・・溝田氏から電話が入ったのです。『今年の関東の雪の量は?』
毎年日光白根山の丸沼スキー場で3月から5月までスキーをするのが、彼と奥さんの毎年の行事です。しかし今年は震災と放射能の影響で関東には入っておらず、まだ四国で山に登っていました。

ふと私の頭に『四国なら震災の影響も少なく、ガソリン缶があるかも知れない』と。それで彼に頼んだらさっそくホームセンターで購入してくれたのでした。
関東の山で会うはずでしたからバスに積んでおいていただいたのですが、再々お話しするように突然のバスの故障です。

私とすればガソリン缶もそうですが、毎年会っている友人に会えなくなったのが余計に残念なのです。徳島に戻った彼から宅配便でガソリン缶が今日2缶届きました。
本当にお手数をかけ申し分けなかったのですが、届いてはいなくても入手してあった事でずいぶん心強く感じていました。イザという時には今日のように宅配便で送ってもらうとわずか2日で手元に届きます。それにしても2か月近くもバスの中で邪魔だった事でしょうが、友達の好で許していただけていると思っています。

これで娘を迎えに行くにも、関東を脱出するにも・・・一定の距離を確保できました。さっそくお礼の電話を入れると開口一番『キャンピングバスを廃車したことが寂しい』でした。
その意味では私もあのバスが無くなるのは寂しくてたまりません。

私は友達があまり多くありませんが、そんな中で大切な友の一人と巡り合わせてくれたバスなのですから。そのくだりは私のホームページの100名山のコンテンツの【荒島岳】に乗っています。また彼のホームページやブログもリンクしてありますので、ぜひ一度ご覧ください。または【溝田正行】と検索するだけで出てきます。スケールの大きな男の生き様が載っています。

世界を股にかけて走り回るそんな男が【寂しい】と言っているのですから、あのバスの存在の大きさは計り知れません。しかし、秋にはオーストラリア大陸の横断に出発する計画を立て、実行に移す準備に着手しています。すでに次の計画がしっかり出来上がっているのです。そのあともインドやネパールの計画も・・・。ここが多くの人を引き付ける、彼の偉大さなのでしょう。

人間が他の動物と違うのは『計画を立てることができる』という事だと、彼は言っています。なるほど彼は最も人間らしい【人間】なのかもしれません。
今年中に北岳から農鳥岳を縦走するために再び近くにやってくるそうですから、オーストラリアに行く前に会えるかもしれません。人生のヒントとエネルギーを少しでも吸収したいと考えています。

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