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電車の中で

リタイヤ生活

本当に暑い日でした。何もしなくても汗が吹き出して肌着が肌にまつわり着いています。ウェザーニュースで関東は30度を超えていたと報じていました。

暑い日でしたが・・・イヤイヤ・・・出かけなければなりませんから、行く前から義務感に押しつぶされそうでテンションは上がりません。
それでも電車の中は若干の冷房が効いていますから、一番過ごしやすい場所かもしれません。

【暇人】を自ら告白するような話ですが、電車の中で人間の生態を観察するのがまた楽しいのです。田舎暮らしの年寄りには、刺激が強すぎるような場面に出会うこともありますし、人間の持つ優しさや底意地の悪さも目にします。

最近特に気になるのは【若者が先を争って席に座る】事です。本当に疲れていて座らなければ辛いだろうと思える人が2割、残りの8割は腹立たしい若者です。

まず・・・特に女性ですが化粧をするために座るのです。座ったとたんにメイク道具を取り出し、小一時間かけて全く違う自分を作っていきます。恥も外聞もなく懸命にメイク・・・万が一就職活動している会社の方が見ていたら・・・なんて考えられるほどの子は初めからやってませんね。この人たちにとって周りの乗客は、精々畑に転がっているカボチャぐらいの感覚なのでしょう。慎み・奥ゆかしさ・・・死語です。

次に、座ると電話を取り出す若者がほとんどです。中には化粧しながら電話を開いている娘もいます。これはもう豪傑と言っていいかもしれません。メールをするには手荷物を膝の上に置いた方が便利ですから・・・座るのでしよう。
向かい側の10席を切り取ってみると、老若男女が6人は電話を開いて何かをしています。

また、まるで思いやりの持てない若者も確実にいます。こんな輩でも自分の親なら座らせてあげるのでしょうから、なおさら情けなくなります。

今日、若者が空いた席を年寄りに『どうぞ』と勧めました。そしたらこの年寄りはかたくなに拒否したのですが、何とも考えの至らない大人ではありませんか。
自分は『席を勧められるほどの年ではない』・・・私だってそう思いたいのですが、よく考えると結果として勧めてくれた若者に恥をかかせていると思いませんか。

若者は勇気を振り絞って勧めているはずです・・・いつもやっている若者は自然に言葉が出て来ると思いますが、あの若者は今日が初めてだったかもしれません。
ですから私は譲られたら必ず『ありがとう』と言って座ります。本当はそんな年に見られたくない・・・思いを持ちながらも、心の中ではこれからも勇気を出して勧めてね・・・ってお願いしています。

このような若者が嫌な思いをしないために、私は【座る】のですが、年寄りは若者を『育てる』心の余裕があってこそ大人ではないでしょうか。素直な年寄りの方が愛される気がします。実際に今日のクソ爺は、傍で見ていても憎たらしくて腹が立ちました。

先日、二人の中間の席が空いたので、隣に立っていたご婦人に『どうぞ』と席を勧めました。当然咄嗟に私より年上だと思ったのですが・・・その心根を見透かされたかのように『私の方が年下だと思いますが・・・良いんですか』と言いながら、憮然として座られました。

親切心が仇になったのですが・・・譲ったり、年寄りに見られたり・・・踏んだり蹴ったりでした。ついつい自分の老いを理解しないで勧めた私が軽いのか・・・はたまた年上だと思っている人に席を勧められたぐらいで憮然とするご婦人が大人げないのか。
レディファースト・・・から言っても、私の方に分がありそうです。まあ『目くそが鼻くそを笑うような話』ではあります。

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