現役時代に私は事業活動における労働安全衛生活動に、特に力を注いできました。ですからおこがましいのですが自分でこのジャンルに明るいと思っています。
今日、大宮のソニックシティで研修会があり、参加してみました。残念ですがすでに私たちが20年も前から取り組んでいたような内容で、目新しいものはありませんでした。
既にご承知の方も多いと思いますが・・・OHSAS(オサス)という国際規格ですが、環境負荷の部分はISOの9000シリーズのパクリ(どっちが先かは解らない)と言うほど同じです。
こうした国際規格を導入しても・・・『効果は全く無い』とは言いません。一定の効果は確かに期待できます。これが現役時代に先駆的導入に尽力した、私の実体験からの個人的な感想です。ですから事故防止という結果だけを観れば、導入を考えられるのも良いでしょう。
しかし、いやらしいのは企業や労働者のための取組という側面以上に、国際規格自体の【商品化】している点にあります。ISO然り・・・です。
今、話題のTPPなどもそうですが、現状アメリカと中国が勢力拡大に躍起になっています。どっちに仲間が増えるかによって勝ち組と負け組が出る・・・勝ち組が掲げたシステムは商品としてマネーを生み出すのです。ケースは全く同じではありませんが、新たなシステムや国際間の枠組みにはほとんどこうした側面があるのです。
規格の認証を得るために認証団体にお金を払わなければなりません。JQAなどの団体がこの権限を振りかざして企業から数百万円単位でお金をむしり取っていきます。
認証を受ける側はお金を払って・・・その上、気を遣い・・・事務量を増やしています。書類を整備するための規格になっている現実があります。なかには勘違いしている審査員もいて、自分の考えを押し付けるばかりでおよそ企業のためにアドバイスしているとは思えない輩もいます。
本当に企業や労働者のためだったらISOも労働安全衛生国際規格も必要だと思いますが、現状はそのことがマネーを生むための商品に成り下がってはいないでしょうか?
実際、認証を受けようとする企業団体がドンドン櫛の歯が欠けるように減っています。あんな体質では当然だと思います。決して不景気で認証費用が捻出できないからばかりではないはずです。
今日改めて感じました。これらの規格が本来持っている【精神や良し】ですから、その精神だけを踏襲して事故防止に取り組めば、わざわざ【認証】というレッテルのためだけに数百万円の費用を払う必要は無い気がします。肝心なのはパッケージではなく労働者の安全・・・なのですから。
労働災害に限らずなんでも同じだと思いますが、とにかく根気よく不断の努力でこうした精神を根付かせる事が目的達成に近づくのだと思います。
それは何十年もの積み重ねで、決して近道はないと思います。私がいた会社でも現場に出る時に、全員が安全靴を着用するまでに10年を要しました。僅か安全靴の話でそんな状態でした。
どんなに書類を整備しても・・・口を酸っぱくしても・・・最終的には本人の意識・自覚でしか事故は防げなかったのです。
至る所に危険は潜んでいます。それに気づこうとする風土を社員の心の中に構築しなければ事故は防げないのです。
それにしても・・・お昼のデザートで出たケーキの美味しかったこと・・・やっぱり都会は美味しいものがふんだんにあります。おおみやプリンスホテル・・・?・・・のナプキンでしたが、どこのケーキ屋さんなのでしょう? 妻にも食べさせたい。
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