2合目の駐車場に到着すると数人の方が準備をしていました。声をかけると『函館から来たので登る』とっ。話を聞くと冬山をメインにしている超ベテラン。
この人に着いて行けばイザという時は救急を呼んでくれそう・・・全くの【他力本願】です。
その場には地元TVの撮影クルーも・・・今日は雨間違いなしで中止・・・って話し合ってました。なぜかその中に割り込んでいました。
装備を何も持って無いけど大丈夫ですかね?
えっ! 食べ物は?
持ってません。持っているのは雨具の上だけです。
それじゃ、止めた方が良いよ。今日は間違いなく雨だから・・・頂上付近は岩場があって滑るよ。
一瞬、止めるつもりになりました。でもプロデューサーのような方が
『じゃ、パンをあげるから持って行きな』
『じゃ俺はこれあげる』
ってスニッカーを3個も、次の方は飴玉を5個。あっという間にポケットは食料でいっぱいです。
それにしても無謀と言うか、恥を知らないと言うか・・・。やっぱり・・・開聞一つだけを残して帰るのはあまりに無念でした。
函館の人は既に2合目を過ぎている頃、私もペットボトルの水を雨具のポケットに入れてスタートしました。
本当は明日晴れそうなので民宿でも探して・・・と思って作業している親父さんに聞くと、民宿は指宿まで行かないと無い・・・と言う返事。『食事は出せないけど、ここに泊まっていいよ』と。合宿所のような施設で、ちょっとダニでもいたら・・・不安でした。
そんなこんながあって・・・結局登る事にしたんです。決めたらもう迷いはありません。こんな装備で登るのは・・・初めて。
途中で竹を拾ってストックに・・・あっという間にスニーカーはグチャグチャでした。10分程で函館に追いついて、ゆっくり5合目まで一緒に歩いてました。
五合目からとうとう雨が落ち始めました。もう・・・函館のペースに合わせていられず、先に進むと6合目で本降りに。俗に言うザアザア降りです。
流石に迷いました。数分考えました。2・3歩戻っては思い直して前に進み、また迷っては2・3歩戻り・・・。
でもここまで濡れたらもう同じです。風が無いので体温を奪われることもなく、しかも高度が低い山で樹林があります。十分風を遮ってくれる確信がありました。
頂上付近で鎖があったり、岩場があったり・・・でも問題はありません。結局雨は8合目でポツポツになってくれたのが、何よりの救いでした。この後下山まで激しく降る事はありませんでした。
写真は函館さんです。
山頂の天候はこんな感じでした。
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