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ホームレス登山

百名山・九州

ガスに巻かれた山頂では長く留まっても意味が無いのでそそくさと退散。帰路は登り以上にスリップに注意していました。

残念な天候でしたが、きっとまた登りなおします。とりあえずは百名山の残を消化する事も必要・・・。本末転倒ですけど。

果たして楽しめない山頂に立って意味があるの?   と問われれば難しい議論になります。私の場合・・・もちろんロケーションが良いのに越した事はないのてすが・・・山に登る楽しみとして【登る時の苦しさが目的】でもあるんです。

下山途中の8合目で函館からの氏に出会いました。そして7合目付近だったでしょうか・・・えびの高原から一緒だった人が登ってきて、お互いに挨拶をして別れました。

道具を持っていない・・・と話していた私が登っている事にびっくりしていました。

それにしても・・・この時点の私はズボンとパンツはびしょ濡れ。そして雨具の中のTシャツも絞れば水が3リットルは出そうでした。唯一寒くなった時のためにと、ビニールの袋に入れたナイロン製の長そでシャツをウエストポーチに潜ませていました。

下山は・・・慎重にではありますが駆け下る状態でした。再び落ちてくる雨との戦い。でも開聞だからやったんです。他の山ではやりません。こんな乱暴な事。

登山口が見えてきて・・・無事に戻れた事でどれほど安心したか。とりあえず怪我かなかった事と、寒かったら車のヒーターをかけられますから。

作業していたオジサンに『行って来たので泊らない』と話すと『えっ! もう行って来たの?』とっ。宿泊に配慮していただいた事にお礼を言いました。

さあ、熊本まで帰ります。熊本を16時の新幹線に乗らないと、今日中に埼玉には着けない・・・どうしても翌日は病院に行きたかったんです。

指宿ハイウエイはガスが巻いて、何時通行止めになるのかハラハラしていました。グッショリのパンツとズボンでシートに座るわけにはいかず、大判のビニール袋を敷いて座っていました。

速乾性のズボンですがビニールを敷いていると、結局水分をキャッチボールをしているので乾きが遅い。そこで定期的にお尻を持ち上げて、ビニールの水分を拭き取る作業が必要です。

走りながら頂いたパンを食べ、とにかく熊本を目指します。濡れていた時は気が付かなかったズボンに付着した泥・・・乾いたらみすぼらしいほど汚れが目立って。

とりあえず途中のサービスエリアの障害者用のトイレでズボンを脱いで、汚れた部分をもみ洗い。濡れるととりあえずは落ちたように見えたのでした。

タイムズに連絡を入れてガソリンの満タン返しも、時間が無いので交渉してOKに。熊本の街は午後の大渋滞でした。気持ちは焦りますが道を知らないので、近道を選ぶ手段もありません。

何とか3時45分に熊本駅前のタイムズに滑り込み。車の傷が無いか・・・満タン返し分でのガソリンの計算・・・時間は経過していきます。『明日病院』と事情を話して振り込みにしてもらおうとすると、余分に払っていた分との相殺で納得してくれました。

乱雑にいろんなものが散らばっている車から、ゴミやお菓子や濡れた衣類・・・あらゆるものをとりあえず2枚のビニール袋に押し込んで・・・新幹線の駅に向かいました。

4時20分の新幹線にギリギリ飛び込んでセーフ・・・でもその恰好は間違いなくホームレスそのものでした。

数日間ヒゲを剃っておらず・・・雨具を上着代わりに着用し・・・とりあえず洗ったはずでも全く落ちていなかった泥のズボンとスニーカー。そして両手にはビニール袋を提げて・・・。

私が普段目にしているホームレスはこんないでたちです。今の私とちっとも違わないのです。

新幹線は熊本ではガラガラ空いている状態。洗面所のカーテンを閉めて・・・ズボンを脱いで・・・再びもみ洗いをしてみました。スニーカーも泥を落とし・・・とりあえずは綺麗になった気がします。洗面所は酷い事になってましたけど・・・。

新幹線の中は温かく、ズボンは広島あたりではすっかり乾いていました。そして今度こそ乾いても泥は目立たなくなっていたのです。

それでもビニール袋は情けない姿を強調します。駅ビルでバッグを探したのですが、タイミングよくそんなものがあるはずはなく・・・埼玉までホームレスで帰って来ました。

新幹線から降り立つ私の姿を見て・・・妻は・・・どうしてこんな人と結婚したんだろうと思ったかもしれません。もの凄い旅・・・でした。

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