私が【親分】と呼ぶ現役時代の上司がいます。この人を囲んで定期的に飲み会をやっていたのですが、ここ数年は現役の方たちが忙しくて集まれていません。
個人的には時間を見つけて、職場を訪ねています。いまだに道の駅の駅長をやっているんです。本人は地元へのご奉仕のつもりですから、報酬もほとんどありません。
野菜作りに精を出していて、例年暮れには自宅に伺って野菜を貰ってくるのですが・・・今年の暮れは何故か連絡がありませんでした。
何時も『野菜を取りに来い』と言われて行くと車一杯貰って帰るんです。そして『畑から持って行っていいから』と言ってもらえているんです。
これは一番弟子の私にだけ許された特権です。実の兄のような方なのですが・・・先ほど言ったように今年は年賀状も来ませんでした。こんなことは絶対にありえません。何かあったに違いない。
今日川越に行く日でしたので、どうしても顔を見たくて職場に行きました。暮れにも会ていませんでしたから・・・。
そしたら・・・何か力強さが無くて・・・ひょうひょうとした感じです。仕事の手が離せず『ちょっと待ってて』と言われて、直売所などをウロウロしてました。
手が空いてお茶を飲みながら話をすると『暮れに車ごと崖から落ちて、圧迫骨折をして入院していた』と。下り坂で日陰で山道が凍っていたんだそうです。
とりあえず知り合いの家まで歩いて、重機で車をあげて貰って帰って来たそうです。そして接骨院に2日ほど通ったけど、とうとう動けなくなって入院となったそうです。
МRIも撮って圧迫骨折と判明・・・という経緯だそうです。雪道で転んで圧迫骨折と言うケースは実はものすごく多いんです。我が家も父が15年ほど前にやってますし、昨年実姉がやはり入院しました。
寂しいですが、年を取ると自分の身体を支える事も出来なくなるのです。
親分は南アルプスを甲斐駒から池口岳までの全座を縦走するほどの健脚で、しかも秋のアルプスを半袖で縦走するほどの鉄人でもあります。
私は【鉄人】と言うべき人を3人知ってますが・・・一人は我がやどろくの会の若頭、そしてもう一人が80歳を過ぎても海に潜って魚を突く茨城の大沢翁、そして元祖鉄人こそが親分。
私に山を教えてくれた人でもあり、谷川岳ではせっかち過ぎて遭難騒ぎまで起こすほど・・・持久力も瞬発力も兼ね備え、超スピードで野山を駆け巡る人でした。
それなのに・・・やっぱり【老い】なのでしょうか。最も体力があっても無くても、せっかちが災いしているのかもしれません。【老い】とは関係ないかもしれませんが。
76歳になったと言いますが・・・考えてみたら私が今年65歳ですから、当然と言えば当然です。しかし親分だけは年を取る事を考えられませんでした。
私の分にネギの畝を100㍍残してあるので、休みに取りに来いと言うので、来週貰いに行く事にしました。
3月で道の駅の駅長を辞めるそうです。『長居しちゃった!』と言ってましたが、私の行くところが減ってしまって私が寂しくなります。親分との縁は切れませんが・・・。
快気祝いと退職祝いを盛大にやらなくちゃ・・・と思ってます。
そしたら・・・帰り道に目の前で・・・またまた交通事故です。ガソリンスタンドから出てくる車が、歩道上でおばあさんを轢いてしまいました。次の機会に書きます。
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