【650㍍岩峰】と言う場所から【オホーツク展望台】までの間はありの巣が沢山あって・・・実際沢山ありました・・・それをヒグマが食べに出てくるのだそうです。
本当にびくびくしながら進むのですが・・・果たして何組が私の前を進んでいるのか解らないのも不安材料。
それでも『絶対前を歩いている人が居る』と信じてないと歩けない。追いついて背中を見ると、じっくりその人の歩くペースを観察。私よりちょっと遅いぐらいなら、しばらくは後ろを着いて行きます。
それがあまり遅い人だと、結局追い越さざるを得無いのですが・・・。遅い二人組の男性を仕方なく追い越しにかかると、どこかで聞き覚えのある声。
利尻岳登山の時に泊った北麓野営場で、姫路からやってきて一緒にテントを張った人たちでした。
最初の休憩ポイントは弥三吉清水。7~8組のパーティが一堂に会しました。そして3組ほどが出発した後に出発。
それでも次のポイント【銀冷水】までの間にほとんどの人を追い越して、どうやらトップに出た雰囲気。そこは銀冷水でした。
飲みたいけどあれだけキツネが居たのを見ているので、飲むのは止めて置きました。北海道の沢はエキノコックスが心配なんです。(ここは表面を流れていないので心配ないらしい)
雪渓がどれほど残っているのか・・・アイゼンを持っていないので不安はありましたが、雪渓自体が小さくなっていて(50㍍程しかない)全くキックステップで大丈夫でした。
直ぐに羅臼平に到着。ここで早くも下山者が一名。これから硫黄岳に縦走するそうです。この方は翌日斜里岳でも私の前を進んでくれました。
ここにはフードコンテナが設置されていて、食べ物などを保管して頂上に向かうことができます。私は頂上で食事しようと思っていたので、そのままザックで背負って進みました。
樹林帯を抜けるとクマに対する恐怖は無くなります。出会いがしらに会うことはほとんど考えなくて良くなりました。
ここまで3時間ほど。山頂はあと1時間ほどで上れそうなほど近くに見えてきました。このまま眺望があると良いのですが・・・。
ここからはお花畑を見ながら登って行きます。
最後の岩場を15分ほど登ると山頂です。
とうとうヒグマの恐怖を克服して、山頂に立ちました。98座目羅臼岳陥落。
あれほどくっきり望めた山頂でしたが、登頂した途端にガスが巻き始め眺望は全くなし。食事しながら3~40分ほど待ったのですが、とうとうガスが晴れる事はありませんでした。いつものように羅臼平まで下山すると、また晴れてましたけど。
オバサンのグループを先にやって5分ほど遅れて出発。
ところがこのおばちゃん連の早足には驚かされました。登りはそれほどでは無かったのに・・・下りで追いつこうとしても、とても追いつけません。
追いつこうとしたのは・・・すれ違った若者が『オホーツク展望台にヒグマが居た』と言うので、露払いよりあまり離れたくなかったのですが・・・膝が壊れるほど頑張ったのに。
結局、木下小屋までそれほど離れずに下山しましたが、その木下小屋ではヒグマが現われて大騒ぎでした。ちょうど我々が到着したころに、逃げ去ったようです。
ヒグマの恐怖に打ち勝って・・・98座目完了。あのスプレーが心強かった。
ヒグマが出たと言うのに・・・ホテル地の涯の無料露天風呂に入って・・・ご機嫌な風呂でした。
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