台風9号は多くの傷跡を残して過ぎ去りました。そんな中で相変わらず我が地方はほとんど被害が無く、他の地域の皆さんに申し訳ない気がします。
珍しく直接関東に上陸した台風は、現役の時に1回経験ありましたが十数年ぶりだそうです。
脆弱な関東はこんな程度で大騒ぎですから、九州の方には申し訳ないようです。
さてオリンピックも終わり、閉会式のオリンピックフラッグを受け取りたくて辞任をゴネていた桝添えさんは、どんな気持ちで閉会式を見ていたのでしょうか?
今回の日本選手団は想像以上の頑張りでした。勿論実力を出し切れず無念な思いを抱いた選手も多くいたと思います。
その一人が4連覇を逃したレスリングの吉田選手。おそらく橋本聖子団長からキャプテン指名を受け、少なからずプレッシャーもあったでしょうね。
古い話で恐縮ですが、女子レスリングがオリンピック種目になるアテネ大会前、日本ではこんなドタバタがありました。
最近ではマラソンの代表選考で、毎回悪評がかまびすしくなります。
もともとその当時の女子のレスリングは山本美優・聖子姉妹が頂点に立っていました。
まだ選手人口も少ない時から、父親の影響で始めた小さな小学生姉妹のレスラーが評判でした。
あの格闘家、キッド徳郁の兄弟で、美優は現在も格闘家として活動中。聖子は現在大リーガーダルビッシュと一緒に暮らしているとか。
何より今回吉田選手を破ったアメリカの選手を、アメリカに渡った当時指導していたそうです。
これからお話しすることを誤解しないでほしいのですが、決して吉田選手を批判したり貶めたりするために話すのではありません。
それどころか吉田選手がオリンピックで金メダルを獲得するたびに、日本人としての誇りや優越感をどれほど与えて頂けたか・・・言葉に尽くせません。
ただ過去の時代の一つの出来事を話したいのです。出場選手選考に公平を期すために・・・。
もう陸連のマラソンの選考のように何の罪もない選手に、重い荷物を背負わせないでほしいのです。
女子レスリングも競技人口が増えて、オリンピックに採用されようとしていた時代。それは先にも言いましたが山本姉妹の活動などが大きく貢献していた事は間違いありません。
当然、世界選手権なども始まり、その国の戦績によって出場枠が各国に割り当てられるシステムがアテネ五輪から始まりました。
その出場枠を確保するために、山本姉妹は世界に打って出ていました。
そして世界でチャンピオンになり、見事に出場枠確保でき、出場すれば金メダル間違いなしと思われていました。
ところがレスリング協会は出場枠を確保してきた選手に、出場権を単純に与える事はせず国内予選を実施したのです。
これが山本姉妹にとっては悪夢となりました。
当時メキメキと力を付け始めていた、吉田選手や伊調姉妹の前に二人は破れてしまったのです。
1990年台から世界と戦った山本姉妹が、2002年に世界チャンピオンになった吉田選手たちの勢いに抗しきれなかったのでしょうか?
ただ日本の現在の女子レスリングの強さは、間違いなく山本姉妹が基礎を作ったと言える。
勿論、その後吉田選手や伊調姉妹らがよりレベルをアップさせたことも間違いない。
当時のレスリング協会内の力関係は解りません。只、言える事は、今回もメダリストを多く輩出した学校はおそらくもともとの協会の正統派。
そして美優・聖子の指導者だった父郁栄は、協会内でどんな力を有していたのか?
当時の世界選手権は7階級で行われ、オリンピックは4階級で実施されたのも不運であった。
そのことでチャンピオンを多く輩出していた日本は、国内選考で世界チャンピオン同士が戦う事になったのである。
これは致し方ない事だったとは思う。ただこれまで日本の女子レスリングの基礎を作ってきた山本姉妹の長い努力を、何とかならなかったのか・・・と言う私の感情論だけである。
勝負の世界は厳しい事は、競技者の世界に身を置いたものとして良く解ってはいる。
日本が世界のレスリング協会の中でもっと発言力があったとすれば、7階級でオリンピックが実施されたかもしれない。
いずれにしても選考過程のゴタゴタを、選手に背負わさないでほしいのだ。
今回のマラソンも選手は選考過程のプレッシャーまで、背負って走ったと思う。
それで結果が良ければいいが、万が一実力を発揮できなければ選手は本来協会が受けるべき非難まで浴びる事になる。
1年前の世界選手権で日本人最高、かつ8位以内・・・で即内定を与えるのが適正だったか。
それは・・・選手としてはそういう基準を達成したのだから、出場は当然の権利である。
むしろそんな選考基準を作った協会が問題であろう。
話はそれたが・・・女子レスリングがオリンピックで沢山のメダルを取る強豪国日本。
山本姉妹はそんな日本の活躍をどんな思いで見つめているのか?
私の心は複雑である。そして今回の吉田選手の敗戦に、なにか因縁めいたものを感じてしまう。
オリンピックは終わった。そして巷間伝え聞くと、吉田選手は現役を退き、出身母校かつての中京女子大(現至学館大学)で後輩の指導に当たると言う。
一つの時代が幕を閉じた。山本姉妹の無念な思いも、ここで幕を閉じてほしいと願うばかりだ。
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