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九分での恐怖

台湾旅行雑感

ソウル梨泰院の事故で大勢の犠牲者出たと言う知らせに、同様の経験をしていた私は思わず背中が寒くなりました。

犠牲になられた方々とそのご遺族にお悔やみ申し上げます。

2回の韓国旅行で都合2週間韓国に滞在。

その際の経験で・・・昼の仁寺洞(インサドン)と夜の明洞(ミョンドン)は、今回の事故と近い人の流れが出来ます。

ソウルだけではなく第2の都市釜山の広安里(カガンリ)なども、同様に大勢の人が一斉に動きます。

国土が狭いのに人口が多い国で、若者のエネルギーは日本とは比べ物にならないほど迸っています。

そうしたエネルギーが弾けたのでしょうか?

2019年に台湾に旅行した時、九分(キュウフン・・・正しいフンは人偏に分と書く)で同様の経験をしました。

九分は台湾の中でも特に人気の高いスポットで、【千と千尋の神隠し】に登場した舞台のモデルになった茶店もあります。

夜になると赤い提灯に火がともり、エキゾチックな街並みが人気の理由。

したがって観光客は夕方から暗くなる時間に集中します。

私たちも4時ごろからレストランで時間をつぶして、そろそろ暗くなる6時半ごろに通りに出たのでした。

その時点ではまだ余裕で歩ける状態でしたが、30分もすると状況が一変。

階段が続く狭い通りは、行くも戻るもできなくなったのでした。

30分ほど動けない状況が続き、圧に耐えながら妻をガードしていました。

九分は急な階段の街並みですから、押されて倒れたら雪崩のように人が倒れこんでくるはずです。

冗談ではなく【圧死】を覚悟した瞬間でした。

その現象は街並みの最上部に近い部分の交差点で起きました。

上から下って行く私たちが十字路に差し掛かると、右の路地からも左の路地からも・・・。

スクランブル交差点の様に人が集中し、押し競まんじゅう状態になったのです。

場所は階段・・・どこかの集団が無理にも通り過ぎようとしたら、確実に事故になっていたと思います。

交差点を抜けるのに20分ほど・・・一歩も動けず時には宙に浮いてました。

交差点を抜けてもお店の壁に押し付けられる状態が10分か15分続き、山で怪我をして痛かった足で踏ん張っていました。

この人の流れが滞った原因は、時間的に赤く火がともった提灯の街並みを観に来るツアーが集中したのです。

下の広場はツアー客が埋めていて、上から下る人が降りられるスペースが全くなくて、階段で渋滞が起きたのでした。

まあ・・・確実に下に下るまで、恐怖の1時間でした。

台湾政府は何か対策を打たないと、近い将来九分で同じ悲劇が起きると確信します。

何とか脱出できた・・・右側一列が私たち。

ここまでくれば余裕ができていて、ホッと胸をなでおろしています。

 

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