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77-2. 甲斐駒ケ岳

強風と雨、甲斐駒のリベンジならず ・・・栗沢山(アサヨ峰敗退)

メ モ
登頂日 2016/07/03(日)
天 候 強風、雨、ガスのち晴れ
百名山登頂順
標 高 2,714㍍
登山口 北沢峠登山口
同行者 単独
温 泉 芦安駐車場前 白峰会館
ア単 700円

タイム
場所・地点 往路 (着) 往路 (発) 復路 (着) 復路 (発)
芦安駐車場 : 4:50 12:45 :
広河原 6:10 6:50 11:20 11:50
北沢峠 7:10 7:20 10:30 11:00
栗沢山 9:10 : : 9:15
所要時間
6:10
歩行時間 登り
3:10
下り
2:30

平田影郎

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このあと数日間に晴れそうな山・・・をネットで探し、甲斐駒・鋸・アサヨ峰の3日間コースに目標を設定。脚力に不安は残るが、辛かったら途中で切り上げて無理はしないつもりだった。

仙水小屋に泊まってみたいと前から考えていたが、予定がはっきりしないと予約はできず完全予約制の仙水小屋は諦めて出発。

何処でも泊まれる小屋に泊まるつもりだった。北沢峠の小屋は予約制が多いが、空いていると泊めてくれるから金曜の夜・土曜の夜と違って日曜の今日はそれほど心配はしていない。

前夜に芦安の市営駐車場に入る。土曜登山で帰った人が多く、土曜の夜のこの日駐車場は空いていた。

アルコールを煽って眠ろうとするが、何としても暑い。なかなか寝付けず、とうとう3時になってしまった。諦めて起きだすが・・・頭がボンヤリ。

4時にタクシーの列にザックを置いたが、4時でも2台目であった。1台に9人が乗れるこのタクシー、バスより早く広河原に着くので急ぐ時は絶対タクシーである。15番目ぐらいだったと思う。料金は環境協力金を含めて1.200円。

そして何よりのメリットが混雑の日でもタクシーは定員以上は乗せないが、バスは動きが取れないほど詰め込まれる。絶対タクシー。

広河原で乗り継ぎのバス停にザックを置く。トイレを使って戻ってくると切符売り場が長蛇の列だ。あわてて並ぶ。

切符を買って戻ると既に北沢峠行きのバスに乗車が開始されていた。危うく順番を後にされるところだった。危機一髪。

ここも一台目のバスで北沢峠に向かう。料金は750円ほどだったが、端数があったかも。

芦安から北沢峠までが、片道で2.000円かかる。

名称を変えてこもれび荘
北沢長英荘・・・混んでなさそうな雰囲気

バスで数人の方と会話を交わすとアサヨ峰に向かうというパーティがあって、急に怪しくなった天候に不安を覚えた私はアサヨ峰に目的地を変更した。

前回の甲斐駒も晴れるはずだったのに台風が進路を変えて内陸地を通過。その影響で大風と横殴りの雨の中での山頂だった。

そのリベンジの登り返しが今回の山行目的だが、この調子では今回も大荒れの様相。

北沢峠のバス停のところで指導員のような方が『上は大荒れで強風が吹いている。注意して行ってください』と大きな声で案内してくれている。

バスで知り合った方と前後して、アサヨ峰を目指す。長英荘前では既に下山する人がいて、大荒れだったと教えてくれた。

引き返してきた人も数人いて、やはり甲斐駒を断念することにした。

アサヨ峰を登頂後そのまま広河原まで歩いて、翌日小太郎山に登ってもいいとフレキシブルな計画に変更していた。

バスで知り合ったパーティ
樹林帯の中で早くも雨に打たれる

それにしても・・・前夜にあまり眠れておらず、頭が重い。身体も重い。息が切れる。ヘトヘトで歩いている上に、この天候。

ネットで散々調べ上げて、ここしかないと判断してやってきたのに・・・山の天候と経済状況は思った通りにはいかない。

樹林帯を抜けると吹き付けられる雨で、あっという間に着衣はびしょ濡れ。あわててレインギアを取り出すも既に遅し。

灌木帯では風を遮ってくれず、まともに煽られる。頂上付近の岩場は雨に濡れて滑るし、風でよろけて怖くて歩けない。

二つほど山頂まがいのピークを越えて、やっと栗沢山の頂に立つ。全く感慨もないピークだが、標高だけを見ると2,700㍍超えて立派に標的にされるべき山頂である。

アサヨ峰を目指していた団体もここでUターンして帰って行った。無鉄砲の私だが・・・流石にこの強風の中をアサヨ峰に向かう決断はできなかった。

一番の理由は岩場の不安定な状態で、スリップしたら滑落してお陀仏に・・・。もう一点はここのところの体調不良。

ここで無理して取り返しがつかない事故を起こすより、安全を選択して長ーく山を楽しもう。

アサヨ峰まではあと1時間の距離。しかし北沢峠に戻るにしろ広河原に向かうにしろ、この天候では4時間~5時間を見ないと。断念して栗沢山から戻ることにした。

例のパーティとすれ違う際、気を付けてと言葉を交わした。彼らは進んだのか戻ったのか。

実際はこの後2時間もすると青空が見えて来たのだったが、この段階では知る由もなかった。

栗沢山山頂直下の這松帯。30㍍近い風
雨と風の山頂。

樹林帯に再び入ると風はおとなしくなり、雨も降ったりやんだりの状態になる。止んだと思って雨具を取ると再び降り始め、あわてて着ると雨がやんでむし暑い。

こんなことを3回も繰り返すと面倒になって、北沢峠まで着たままで前だけを開けて歩き通した。当然汗びっしょりで、北沢峠のバス待合室でTシャツを取り替えた。

長衛荘の屋根が見えて来たことで少し気が抜けたのか、沢を横断する手前で丸い石を踏んでしまって足がさらわれてしまった。今年になってこんな転倒が多すぎる。鍛えても鍛えても筋力が自分のものにならない感覚。

ガスがまったりあちこちに踏み跡があって、樹林帯では道を見失うことがある。その時に大切なのが、赤布を見失わないようにする事。もし見失ったらあわてずに今来たところを引き返して、赤布を確認する事である。

そして赤布が見つからなかったら、絶対に下ってはいけないということ。こんなことを注意しながら山を歩いている。

赤布に導かれて
山では大切な目印
北沢長衛荘前に戻り付く。この少し上で大転倒。

10時半のバスがでたばかりでこの後広河原に向かうバスは13時。これには参ったが仕方がないので待つことに。

ところが栗沢山の山頂手前で私とすれ違ってくだったツアー客。私同様にアサヨ峰を目指していたが、栗沢山から下山してきたとすれ違う時に聞いていた。

切符を買って待合所で待っていると、添乗員さんがどこかに電話している。団体さんでバスを呼んだらしいが、人数が少ないのでバス会社が渋っているらしい。

話を聞くと1台分の乗客が集まればバスを増発してくれるとか。ましてやこの団体さんは事前に頼んであったらしい。

ただ悪天候で早めに下山となったため、バス会社と折衝中だった。そこで後から到着した我々を含めて25人で交渉すると、バスを出してくれることになる。広河原からだとかかっても30分で、11時ごろには迎えに来てくれた。

このバスに乗れたことがあとあとの幸運に繋がった。この日の悪天候で途中で断念して下山する人が広河原を埋め尽くす。そんな中で素早くタクシー乗り場に並ぶことができた。この後並ぶ人がどんどん増えて、行列は雨の中に続く。

ずいぶん待つと思ったが2台待ちという好ポジション。30分も待つと2台目のタクシーが到着し、1時間後には芦安でお風呂に入っていた。

今広河原を出たタクシーが芦安に客を降ろして戻ってくるのは2時間後。だから30分待ちは考えられないほどの超ラッキーだったのだ。

北沢峠から団体さんとバスに乗れたのが何とも幸運だった。あのおかげで幸運の連鎖反応。

タクシーに乗って夜叉神近くまで戻ってくると、さっきまでの横殴りの雨は上がって空は青空がのぞいていた。

こうなると・・・広河原で山荘に泊まる事を検討しても良かったのでは・・・この頃にはそんな後悔が始まっていた。

広河原タクシー乗り場
タクシーの窓から青空を望む
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