花の百名山 平標山
平田影郎
とにかく大好きな山で、山登りを始めて以来ほとんど毎年訪れている。これまで登らなかったとはっきり記憶している年は妻が手術した年と私が足を骨折した年だけ。
その他にも欠かした年があるかもしれないが、春と秋に訪れている年もあるので山の経験年数とほぼ同じ回数登っている山だ。
最近では毎年シーズン初めの脚力確認のために、この山を利用している。脚力のバロメーターだ。そして今年は初めて途中で引き返した。
6月8日に訪れた際に、天候の影響もあって・・・体力・脚力よりも気力が伴わなかったのだ。気持ちが頂上を目指していなかった。
そしてリベンジのつもりが、この山行だった。もちろん今回は何の問題もなくクリアーした。
山頂から仙ノ倉にかけてのお花畑はほぼ最盛期で、今年も楽しむことができた。花の百名山に入っているので当然と言えば当然だが、このお花畑は超人気で何時も登山者の行列が絶えない。
アクセスが良く、行程・所要時間が手ごろで、マイナーな登山者でも簡単に楽しめる希少価値のある山だ。たおやかな尾根歩きも私が大好きな理由の一つだ。
梅雨の合間の土曜とあって、駐車場は満車状態。私はスタートが遅くて、ほとんどの登山者が出かけた後だった。
どこまで歩けばどれだけ疲れる・・・まで私の体はこの山を知り尽くしているので、快調なペースで登って行く。と言っても【早い】と言う訳では無く、自分のリズムで・・・と言う意味だ。
残念なことに今日は山頂が隠れたり現れたり、はっきりしない天候だ。がっ時折陽も射す梅雨ならではの天候で、ガッカリしながらも目的は【お花畑】なのでと言い聞かせる。そして何より脚力の鍛錬だから、天候はあまり気にしていない。
平標には大きく4つの登山コースがある。一つは毎年私が利用する元橋~松手山を経由するもの。次に多く利用されるのが、林道を経由し平標山の家を通る【平元新道】。さらには土樽の毛渡沢から直登するコース。最後が谷川岳から縦走するコースだ。
マイナーな山にしてはバリエーションに富んだ、なかなかの山である。たおやかな尾根歩きはアルプスの縦走を彷彿させ、豊富な高山植物が楽しめて、さしづめこの日は雲上の楽園と言ったところである。
平標山の家から山頂までは階段がしつらえてあり、自然保護とは言えこれが私にこのコースを利用させない所以である。
一息ついたら仙ノ倉方向に進む。1・2分も下るとお花畑が始まる。最盛期には素晴らしい花園がそこにある。多くの花園を見てきたが、これまで見てきたアルプスのそれに比較しても決して見劣りすることはない。
僅か3時間の努力でこれほどの花園を見られる場所は他に記憶がない。
毎年訪れているのでコメントも毎年似たようなもので、更には写真の花もほぼ同じものになる。なるべくさまざまのシーンを切り取ってアップしようと努力している。