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旅あれこれ 東北9【久しぶりの玉川湯治】

久しぶりの玉川湯治

2010 春

 昨年、ノロウイルス騒動で気持ちが削がれ、秋の玉川湯治は中止にしていました。今回はほぼ一年ぶりの湯治となりました。『治療なのだ』と割り切る部分もありながら、なぜか躊躇する私がいます。最近の玉川はいろんな考え方をする人や社会のルールが分かっていない・・・まるで子供のような方が多くいて、日程が近づくと気が滅入る事があります。

 今年のゴールデンウィークは最高1,000円の影響もあって、高速道路は大変なものでした。途中何処かで寝ようと計画していたのですが、どのSA・PAも入るだけで渋滞です。j真夜中でも高速道路上にまで車の列が続いていました。

 結局、盛岡でインターを降りるまで休憩が取れず、妻の体調は最悪でした。

 少しインターで仮眠した後、何時ものとおり盛岡のイオンで一週間分の食材を買い込んで玉川に向いました。

 玉川は想像通りまだ冬でした。数日前も雪が降ったらしく、周りの山々はまだ厚い雪に覆われています。

 連休という事で観光客の岩盤浴も多そうです。

【周りの山並みは冬】
【分厚い雪に覆われて】
【観光客が溢れる岩盤浴】

 3日目に自炊部の直ぐ脇まで熊がやってきました。みんなでサイレンを鳴らしたり、18㍑の空き缶を棒で叩いたりしたのですが怖がる様子はありません。とうとう座り込んで10分ほど睨めっこしていました。人間がいなくなったらもっと降りてこようとしていたのだと思います。人間が立ち去らないので諦めて尾根に登っていきました。

 その先には除雪ステーションの駐車スペースで、キャンプをしながら湯治する方々がいる場所になります。

 その方たちの食べ物の管理などが非常に重要だと思います。その後、熊は湯治5日目と6日目にも現れました。

 毎年の事ですがこの時期は特に観光客が多く、噴気孔で食べ物を蒸して食べる方が多くいます。それはいいのですが、食べ残しや芋の皮などをその場に置き去りにして帰ります。汚れるばかりでなく熊の生態系にも影響する事を是非理解してほしいものです。そんな事も理解できない人が健康になんかなれるもんですか。

座り込んで動かない熊
玉川スケッチ 玉川温泉をスナップで紹介します。
岩盤浴用のテント

 テレビ等で取り上げられる岩盤テントです。ここでは温熱を期待する岩盤浴をします。玉川温泉の特集等で取り上げられますが、玉川の施設ではありません。国立公園内に誰かが知らない間に建てた・・・ということで、環境省もお目こぼしをしています。実際には玉川温泉の従業員がやっているはずです。テントの周りは冬は囲われ、この時期は硫化水素が溜まらないようにメッシュの素材で囲われています。1つのテントに十数人が寝転びますが、ピーク時間帯は順番待ちの列が出来ます。今回は田舎の図々しいバーさんがいて、一人で後から来る仲間の分まで占拠していたそうです。

狭い世界ですからどんな話題でもあっという間に広がってしまいます。

 私達は初めの年はテント内で岩盤をやりましたが、2年目からはテントの中での岩盤浴はやりません。大自然に抱かれて大地の恵みを授かる・・・ここでしか出来ない事をここでやる・・・と考えを変えました。季節を感じながら寝転んで見ませんか?

玉川温泉の源泉【おおぶき】

 毎分9,000㍑の日本一の湧出量を誇る源泉。泉質はラジウムを含み、塩酸を主成分とした世界でも珍しい強酸性。

 マイナスイオンとラジウムを含んだ水蒸気が辺り一帯を覆いますので、呼吸器に疾患がある方はこの脇の歩道で長い時間すごし、水蒸気を胸いっぱい吸い込んでいます。

【噴気孔の中に入れて蒸しあげる】
【美味しく出来上がったジャガイモ】

 岩盤浴は概ね一時間を目安に横になっています。観光客の中には朝から夕方までいる方もいます。いずれにしてもその間は横になったり本を読んだり、思い思いの時間を過ごします。

 そして数十分したら噴気孔に放り込んで置いた食材を取り出してきます。多くの人がこれを昼食などに充当し、確り調理された食材を美味しく食べるのです。

 先にも述べましたが問題は食べ残しや皮などの始末です。湯治客は明日もその場所を利用しますので、汚したままにする方はいません。しかし観光客の一部などそうでない方もいる事は事実です。

【自炊部の共同炊事場】

 秋はこの炊事場の窓から見る風景が大好きです。季節の移ろいを身近に感じさせてくれる、素晴らしい【ピクチャーウインドー】です。急峻な崖に縋り付いて一日一日赤くなっていくナナカマドが、秋の深まりを私達に知らせてくれるのです。こんな大自然を体感したことがありますか。

 お湯も水も使い放題です。お湯は源泉の熱を利用したヒートポンプで供給されていますから、環境に優しい垂れ流しです。多くの方が健康と食事の関連性に関心が高く、手作りする方がほとんどです。ここでレトルトを食べているとちょっと恥ずかしい感じもします。少し多めに作ったおかずを交換し合ったりしながら、お友達になるケースも多くあります。我が家の万能薬【ニンニク卵黄】もここで教わりました。そしてここで教えています。井戸端会議は毎日繰り返されます。

 冷蔵庫も完備されました。数年前まで沢水を引き込んだ【天然の冷蔵庫】だったのですが、ノロウィルスの蔓延と共に撤去されました。

【北投荘の廊下】

 連休も終わり一気に湯治客が減り、空き部屋も目立ちます。満室時には湯治客の食料などが山積みされて、廊下は半分ほどのスペースになってしまいます。玉川は高度が高く真夏意外は廊下でも十分食べ物を長く保存できます。

 逆に夏はストックを3日分ぐらいにして、湯治期間の途中に休養がてら田沢湖や花輪などに買い物に出ます。

【炊事場で知り合った小島さんの車】

 佐賀からきた小島さんとお友達になりました。玉川は始めて言う事で概略をご案内しました。お役に立ったのなら嬉しいのですが、こればっかりは自分で自分の湯治方法を作っていくしかありません。一人一人自分に適した方法は同じであるはずがありません。

【花輪の朝市】

 3と8のつく日に開催されます。長い湯治の息抜きには最適かもしれませんが、それほど活気ある朝市とは思えません。地場産が多いのは高く評価したいと思いますが、観光資源としてはもう一つです。

 玉川温泉から送迎のバスを出してくれますので、利用すると便利です。

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