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下山中の事故に遭遇

百名山・南アルプス

前日の夜は興奮のせいか、寝たような寝ないような・・・夢の中で一晩過ごしたような。

しかし百名山達成後のこの晩は、何にも覚えていないほど爆睡したと思うのです。数時間おきに目は覚めますが、直ぐに眠りに落ちている。

目が覚めるたびに真上を向いたまま寝ていて、いかにも窮屈な恰好ではありました。

下山するだけなので寝過ごす心配もなく、食事の声がかかるまでゴロゴロ二度寝を楽しんでました。そんな中を今日光岳をピストンする人たちが、出かけて行きました。

トイレに行きながら富士山を見ると

茶臼小屋からの下山路は斜度がきついだけではなく、要所に切れ落ちた絶壁をヘツるコースです。うっかり気を抜くと数十メートル落下する事になります。

横窪沢小屋まで下ると一組の夫婦が休憩していて、この後一緒に下る事になったのでした。

旦那さんは奥さんを待たずに先に進むクセがあるようで、私は奥さんの後ろから着いて行く状態でした。キツイ下りもほぼ終わって、ウソッコ沢小屋で休憩して再び下山にかかったんです。

相変わらず旦那さんは数十メートル先を進んでましたが、右側が絶壁になっているところで登山道に這い上がる姿が目に入りました。

どうもがけ下に転落したような・・・登山道の上でうずくまっています。ちょうど登って来た若者がその一部始終を見ていたので話を聞くと・・・。

狭い場所で若者が待ってくれたので旦那さんは急いだそうです。そしてその時、登山道の上に張り出した大木に頭を打ち付けたとのこと。

そのまま一気にがけ下に転落・・・したものの咄嗟に立木にしがみついたそうです。あとで旦那さんの年齢を聞いた若者は『とても70歳の反射神経とは思えない』と感嘆してました。

うずくまっていた旦那さん、私は脳震盪を起こしていると判断してました。ラグビーの試合などでも良くあるんですが、開始して直ぐに脳震盪を起こしたものの一試合をプレーしてしまう事があり、試合後に聞くと全く記憶が無いんです。

その転落場所を確認すると、旦那さんが掴まった木の下には何もなく、切れ落ちた崖の先に川床が見えてました。50㍍以上はあったでしょう。あの木に掴まってなければ・・・完全に仏様になっていたでしょう。南無

旦那さん、脳震盪状態だったに違いないんです・・・なぜなら『擦りむいて泥だらけの顔を洗う』と言って、あっという間に見えなくなるほど速足で行ってしまったんです。

旦那さんを見失った我々は、何処かで顔を洗っているのか川を探しながら進みました。でも見つけられず、私と奥さんは仕方なく、ザックを置いて落ちた地点まで戻って見たりもしました。

1時間ほどの間は、進んだり戻って探したり・・・とうとう見つけられずに下山にかかりました。

すれ違う人に聞くんですが・・・奥さんの聞き方が悪い。『赤い帽子の男性に会いましたか』

大概の場合、すれ違った人の帽子の色なんて気をつけていないから『さあ、解りません』という返事になります。

時には『青いシャツを着た方ならさっき行きましたよ』と教えてくれますが、今度は奥さんが旦那のシャツの色を覚えてない。

単純に『60才過ぎの男性に会いましたか?』て聞けば良いものを!

私達と旦那の間に下山者はいないはずなので、男性がいたと解ればそれは旦那に他ならないんですから。

少し怖がりながら絶壁をヘツる奥さんです。

結局、我々が先に進んだと思った旦那さんが、どんどん先を急いだ結果なのでした。がっ、普段あんなに遅い奥さんが、そんなに早く進めるはずがないのに。

やっぱり脳震盪などの正常に判断できない状態だったと思うのです。私もよく立木に頭をぶつけますが、この場所で私がぷっけていたら・・・確実にお陀仏だったでしょう。

自分への戒めとして、この事故を肝に銘じました。無事に畑薙大吊り橋まで戻って、対岸で待つ旦那さんとの再会を果たす奥さんです。

それにしても長い橋で・・・100㍍近くありそうです。無事に到着した私には、この後衝撃の事実が待っていたのです。

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