岩手-1. 姫神山
郷土に里帰りの登山
平田影郎
故郷で開催される古希の歳祝い。田舎ではこんな歳祝いを利用してクラス会が開催される。
同級生との数十年ぶりの再会も楽しみだが、せっかく岩手まで来たのだから故郷の山にも登りたい。
今回は日程と難易度を考えて、1座目姫神山、2座目早池峰、3座目五葉山と計画。
結果として五葉山には登る事が出来なかった。
それでも数十年をかけて、姫神山の山頂に立つ思いが達成できた。
私の高校時代は盛岡の高校に進学したので、姫神山もまた親しみある山名。
特に賢治や啄木とは切っても切れない背景があり、岩手県人としては一度は登らなければならない。
前日、東北道紫波サービスエリヤで泊まり、翌朝5時に起きて旧玉山村を目指した。
滝沢インターを下りてR4を青森方面に進む。
地図ではそんなに距離がないのに、なかなか目指す信号に行きあたらず・・・目印の好摩の駅を過ぎてしまった。
地元の方に聞いて…行きつ戻りつして、やっと登山口への入り口を発見。何とも小さな看板が4号線に立っていた。
夜に来ていたらとてもの事に見つけられなかったろう。
目指した芋田の交差点には信号が無かった。要注意。
入り口さえ見つかれば後は一本道で導かれる。
事前のネットでの確認では、キャンプ場に綺麗なトイレがあるはず・・・だったが。
昨夜のうちに来なくて良かった・・・と納得する。とても夜に入りたいトイレではなかったから。
入り口は見つけにくいし、トイレの状況からしても、また山としての難易度も高くなく、明るくなってからゆっくり登る山。
慌てる乞食は貰いが少ない。
コースは難しい部分もなくアプローチも短く、コースの説明は省略。
一本杉と言う名所があり、それがこの登山口のキャンプ場の名称の所以。
素晴らしい杉林が広がり、その中でも目を引く『一本杉』
抱き着いて、森のエネルギーを頂く。
1㍍20㌢にセットしてあるストックを2本並べてみた。ほぼその長さの直径があった。
もう少し細い松島の瑞巌寺や日光の杉が800年と言われているが、そうだとするとこれは1500年ぐらいは有りそう。
姫神山の素晴らしさは岩手山の眺望にある。丁度姫神山からの角度が、南部片富士と言われる左部分の尾根が見えないので、富士山のように綺麗な裾野に見えるのだ。
アルバイトは簡単でも、この眺望は一見の価値がある。
姫神山は・・・岩手山の奥さん・・・とも言われている。名前の由来もそのままそんな感じがする。
人気が高い山で登山者は多い。アプローチが安全で、学校登山等にも利用されている。この日も学校登山の生徒とすれ違った。